「“毒々地獄の片腕エクスターミネーターin野獣プリズン1999”」
                              ―――『矛盾都市TOKYO』第七十五記、主人公“僕”の台詞






     なのはさんのゆっくりした休日







「ねえ櫃戯君、私ね、明日おやすみなの。お買物付き合ってくれる?」

「いやです、ダメです、丁重にお断りさせてください。私は明日も出勤です」

 いつものように仕事をしていると、書類を持ってきた高町一等空尉が凄まじい事を言ってきた。
 正直に言うと今日・明日は恐ろしいぐらい忙しい、それこそ目が回りかねないほどに。
 なのに、なのに、どうして休めようか、いや休めるはずが無い!!!

「なのはちゃん・・・・・・・櫃戯君の明日一日分の休み、5000でどや?」

「部隊長?!」

「買った!」

「高町一等空尉!?」

 部隊長に5000で売り飛ばされました。
 売るな部隊長、買うな高町一等空尉、そして私は商品なのか、同僚はその「憤怒の目」をやめてくれ!
 部隊長はこの大量の書類を処理するのは誰だと思っているのだろうか、教えて欲しい・・・・・
 後日、同じ部署の新人が「輝く目」で私を見ていて、同僚が「哀れみの目」で私を見ていた。
 一番親しいカンカーラ三等事務尉官は「部隊長のお気に入り(玩具)だから」と肩を叩いてよこした。










 次の日、高町一等空尉もとい、なのはさんによって指定された落合場所に私服で立つ私。
 最近私への遠慮が非常識なほどの速さで減少している、八年前に初めて会った時はもっと遠慮していた人なのに。
 ここ一年ぐらい忙しい時でも暇な時でも休みの日に借り出されるのだろう、こんな私を。
 そう思っていると指定時間の十分前からいるが、それでいいのだろうか?
 そんな特に意味のないことを考えていると人の波の向うから片側で一つに纏めた茶色の髪が見えてきた、たかmじゃなくてなのはさんの髪型だ。
 暫くすると目の前にこれたようだが、微妙に息を切らしているのは何故だろうか?

「お、お待たせー・・・・・(フェイトちゃん、しつこかったのー)」

「いえ、そんなに待ったわけではないですし、気にしていませんから」

 何か別な言葉も含んでいるような気がしないこともないですが、気にしても始まりませんね。
 しかし、なのはさんの服装は何故こんなに気合が入っているのだろうか?
 シンボルとも言うべき白色を中心に黒と赤でところどころにポイントが入っている、模様も胸元や袖などのアクセントだけ。
 シンプルではあるがなのはさんに似合うワンピースだが、靴が赤いハイヒールとはこれいかに?

「ど、どうかな?(結構気に入ってる服なんだけど)」

「なのはさんに似合ってますよ、シンボルの色そのものですが、やはり白が似合いますね」

「ありがとう」

 小さくガッツポーズをとりながら、満面の笑みを浮かべるなのはさん。
 こういった笑顔は意外と見る機会が無いので、少々得したような気分になるものだ。
 そんな会話の後に機嫌のいいなのはさんと横並びで会話しつつ歩き出す。
 何でも今日はハラオウン執務官もとい、フェイトさんの誕生日が近いらしいのでそのプレゼントを買いたいらしい。
 なににするか決まっておらず、私の意見も聞いてみたいということだ。
 もしかして部隊長、このことを知っていて休日を? いや、私を『売った』事からして気づいていないか。

「とりあえず、服に関してはサイズが判らないので放置しましょう。イヤリングか、腕輪などの服飾の類が定番ですかね?」

「だよね? 一昨年は確かペンダントを送って、去年がチョーカーを送ったの」

「すると、イヤリングやブローチも候補に上げておきましょうか」

 話ながら様々な店のウィンドウを覗いていく、こういった行動をウィンドウショッピングというのだとなのはさんが話していた。
 何でもなのはさんの出身世界ではそういうらしい、こっちでも少しずつ広がってきているとの話。
 なのはさんたちの出身世界である第97管理外世界は科学技術が低い分、文化や食事関係が高水準らしい。
 実はミッドチルダでなのはさんたちの出身世界の食べ物が広がっているらしい、新しい店の類がそうだという。

「んー、最近フェイトちゃんがお料理してるから料理器具でもいいかも」

「他の方と被りませんかね?」

「あ、リンディさんが買ってるかも・・・・・」

「では違うものにしましょう。できればオリジナルという形を持たせたいですね」

 丁度いい具合に装飾店が目の前に、早速二人で店に入る。
 店内を見て周り、あれこれと言葉を交わしながらフェイトさんへのプレゼントを探す。
 ふと目にに止まったのは金色のブローチ、羽を広げた鳳を模ったらしいそれが一際目を惹いて他ならない。

「ほえ、どうしたの?」

「いえ、どうもこのブローチが目を惹きまして・・・・」

 なのはさんが横合いから覗き込み、感嘆の声を上げた。

「フェイトちゃんのイメージ、かな?」

 値段を見るとそれほど高いと感じない価格、店員に言って箱に入れてラッピングして貰う。
 奥にいる店員の視線が気になるが、気にしない。
 ついでに物欲しそうに一組のイヤリングを手にしているなのはさん、私に買えと申されますか。(視線で)
 じーっ、という擬音が聞こえそうなほど、穴が開きそうなほど私を見つめるなのはさん。
 ふっと、奥にいる店員と目が合う。

(なにをしている、さっさと彼女に買ってやれ!)

(彼女ではありません、私はこの人の連れです!!)

(そんなに親しげなのに彼女じゃないと?! ええい、どうでもいいからさっさと買ってやれこのトンマ!!)

(ちょ、なんでそうなるんですか!)

(女にプレゼントの一つや二つ、買ってやるだけの解消が無いやつなんぞ男として認めんわ、底抜けの馬鹿め!!!!)

 そんな会話を目だけで行い、最終的になのはさんの目線と店員の視線によって私が折れる形に。
 余計な出費に近いものだったが、なのはさんが凄まじいほどの上機嫌で店員にお礼を言っていた。
 私へもお礼を言ったが、その時の笑顔が今までで一番綺麗だと思える笑顔で、私としてはなんとも複雑な気分になる。

「今日はありがとねっ!」

 朝よりもずっと機嫌のいいなのはさんが夕焼けをバックに微笑んでいる。
 あの後色々な場所を回り、昼食を奢ってもらい、服選びへ移行。
 延々と選び続けて約四時間、数着の服を購入して終了。

「いえいえ、お役に立ったのでしたら嬉しいですよ」

 一応本音ではあるが、それ以上に疲れる休日になった。
 女性の買物はかくも長く、男にとって辛いものだったとは思いもしなかった。
 そう痛感した一日だったといえる・・・・・これに付き合える男は尊敬するといえるな、本気で。
 こうして突発的に貰った休日は終わった、後々を考えるとどうなのだろうか。



 後日、このプレゼントの瞬間が写真に収められた挙句にとある雑誌で記事にされた。
 記事のタイトルは『冥王の恋人現る?! 装飾店にてデートの瞬間!!』だった。
 おかげで数日間、建物の中でリアル鬼ごっこを繰り広げることになった。途中からヴォルケンリッターも参加したので、かなり派手に。
 結局はやてさんにもプレゼントとしてペンダントを購入するはめになった、出費が・・・・・(泣)





追記
「ま、また私の出番が有りませんでした・・・・・」

 地味に出番を求めていた青くて小さい曹長なデバイスが自分専用の家でいじけている姿が見られた。







アトガキもどき〜ドライ〜

さて、シリーズ三作目・・・・・なのですが、二作目とまったく関係ない話です
しかも何時の話なのかぜんぜんわかりません、自分でもわかっていません
といいますか、フェイトの誕生日って何時なのでしょうか?
まぁ、そんなことはどうでもいいでしょう、書き手としてはどうでもいいわけが無いですが
こんな話があってもいい、そう思っただけで捏造したお話でした
ぶっちゃけ、単に思いつきだけでプロットもなしに書いていますので、突発的に更新します
さてさて、どんな風につなげていきましょうかねぇ?

次回はたぶん、おそらく、きっと、いえ、楽観的に見て模擬戦の後編になるはずです
思いつきがあったらそちらになりそうですけれどもねーwwwww

2008.05.31 07:38完成


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